本年1月末に確認された「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、マダニ類が媒介する新しい感染症として話題になりました。また、海外からウィルスが入ってきたのではなく、日本に存在していたウィルスが原因となっている可能性が高いと考えられています。
その他、日本で見られるマダニ類が媒介する感染症には、
・ツツガムシ病
・ライム病
・日本紅班熱
・野兎病
などがあげられます。
マダニ類の寄生を避けるには、どうしたらよいのでしょうか…
マダニ類は体の大きさが一番小さいときで約1cm、血を吸うと1円玉ぐらいの大きさになります。世界で約240種類がいて、ほとんどが動物に取り付いて血を吸います。満腹になるまで血を吸うのですが、大体1~2週間くらい体にくっついたままになります。
血を吸えないと死んでしまうので、マダニ類は野生動物が多くいる場所、すなわち山の中で多く見つけられます。しかし町の中でもいないということはありません。犬の散歩で川原に行くと草むらに入った犬にしがみつくこともよくあります。ですから、草むらに近づくときは気をつけましょう。
では、マダニ類はどうやってエサを見つけるのでしょうか?マダニ類は動物が動いたときに出す「酪酸(らくさん)」のにおいをかぎつけ、草むらの葉の上で待ち伏せします。そして動物が通ったときにピョンと飛び乗り、すぐさま皮膚の柔らかい部分に噛み付くのです。
前文で「血を吸う」と書きましたが、実際は噛み付いて、頭を皮膚の中に突っ込んで血を吸い上げます。種類によっては、取れないように唾からセメントのような固まる物質を出して自分を固定します。おなかいっぱいになるとそのセメントを溶かして離れるというすごい奴もいるのです。
マダニ類に噛まれたときには、頭を突っ込んでいるので、むやみに取ると頭だけが皮膚の下で残り化膿する場合、体液が逆流して化膿する場合(ウィルスが体内に入る原因の1つになります)などがありますので、気持ちは悪いですが、そのままにしておいてすぐに皮膚科のお医者さんに見ていただいたほうがいいでしょう。実際気づかない人のほうが多く、お風呂で体を洗っているときに気がつくことが多いようです。
蛭(ヒル)のようにタバコを近づけたりすると離れる場合もありますが、成功した例は少ないそうです。