今日の大阪は朝のうちは雨でしたが、お昼前から晴れてきました。ようやく青空が見れてよかったです。
部屋の中は少し肌寒かったのですが、壁にゆっくりと動くものが見えました。よく見てみるとヒメマルカツオブシムシでした。標本箱の近くだったので「やばい!」とあわてて標本をチェックしましたが、粉が落ちているものはなく、安堵しました。昆虫研究者にとってヒメマルカツオブシムシは天敵なのです。せっかく捕獲した珍しい昆虫も、こ奴にかかると無に帰ってしまいます。
このヒメマルカツオブシムシは屋内で幼虫時代を過ごします。成虫は春先に河川敷や家庭の花壇にあるデイジーなどの花粉を食べています。その後産卵のために屋内に侵入し、動物から作られた乾物を食べて成長します。成虫の表面は、蝶や蛾を同じように毛が変化した鱗片(甲虫ではこう呼びます)を備えています。蝶や蛾の鱗粉よりははがれにくいのですが、はがれてしまうと真っ黒になってしまいます。また触角や脚を収納する溝もあり、うまく丸まることも出来ます。
いろいろ観察する分には面白いかもしれませんが、やっぱり会いたくない昆虫ですね。