いろいろ忙しくて、研究が少しづつしか手が付けられない状態です。年末にいろいろな人からお叱りを受けそうな気がします・・・。
今日はヒロズコガ類についてお話しようかと思います。ヒロズコガ類は衣類の害虫であるイガなどが含まれますが、アリの巣に侵入してアリを捕食するものやキノコを食害するもの、シダの胞子を食べるもの、朽木などから発生するものもいます。日本産ヒロズコガ類にはまだまだ新種が含まれていると考えられています。粘着トラップにも捕獲されているのをよく見ますが、種類が分からないものも多く見られます。
写真1はウスグロイガ Niditinea baryspilas (Meyrick, 1937)と同定しました。これはゴキブリを飼育していたときに、飼育容器の中でうごめく幼虫を発見し、飼育したところ本種が羽化してきました。飼育容器にはダンボールをゴキブリの隠れ家として入れていたのですが、湿気などでふやけてしまい、それをエサにして発生したものと考えてます。同時にアトボシメンコガ Wagneria cerodelta (Meyrick, 1911)も発生していたので、2種の幼虫をアルコールにつけておけばよかったと後悔しています。