今朝はすごく寒かったですね。明日はさらに寒くなるのでしょうか。出勤時が日の出前なのでちょっと不安です。
さて、今日から自分の研究しているコウチュウ目のことについて何回か書いていこうと思っています。甲虫類は世界で37万種が記載されていて、今のところ昆虫の中で一番種数が多いグループです。他のグループの研究が進めばどうなるかはわかりませんが、とにかく大昔から人気のあるグループです。その中でも「歩く宝石」といわれ、高値で取引されていたのが金属光沢を持ったオサムシです。日本には北海道だけに生息しているオオルリオサムシ Carabus gehinii gehinii (Fairmaire, 1876)は甲虫研究者が北海道に行くと必ずと言っていいほど採集してきます(季節はありますが)。
オサムシは飛ばない甲虫なので、地域ごとに変化に富んでいることが多く、このオオルリオサムシも地域によって色彩が異なったりします。山岳や川、谷などが障壁(バリアー)となって他の地域個体群との交流が断絶し、種分化が進んだと考えられています。ですからヨーロッパや中国などユーラシア大陸に行くとさまざまなオサムシがいて、その中には金属光沢を持ったオサムシも豊富に存在します。種小名も「金色に輝く」とか「宝石」を意味するラテン語・ギリシア語が多く使われています。