子供達がかかっていた風邪をもらったかもしれません。鼻とのどの調子が少しおかしくて寝不足です。体調管理をきちんとしないと。
さて、今日は少し変わった昆虫を紹介します。ネジレバネ目の昆虫で、オスを見るのは今回で2度目です。粘着トラップにかかっていました。写真はそこから灯油ではがすときに撮影したものです。気泡があり見にくいかも知れませんが、ご了承ください。ネジレバネ目の昆虫は非常に変わった昆虫です。オスは前翅が退化して偽平均棍となり、後翅で飛翔します。研究している方以外は、あまり目立たなくて採集したことが少ない昆虫かもしれません。私も自分で採集したことがあるのはメスだけです。オスの形態や幼虫の形態がコウチュウ目オオハナノミ科に似ており、ネジレバネ類はコウチュウ目の一員になった過去もあります。
オスは自由行動をとりますが、雌は幼虫形態のまま成虫となります。これをネオテニーといいますが、他の昆虫に寄生したままで一生を終えます。
よく見かけられるのは、スズメバチに寄生しているものでしょう。腹部がいびつな形状をしていると、だいたい寄生されています。また、寄生されたスズメバチは死んでしまうとネジレバネも生きてはいけないので、生殖することが出来ず、寿命が延びます(これをスティロピゼーション Stilopization といいます)。つまりスズメバチは飼い殺しになるわけです。写真はキイロスズメバチに寄生していたメスを解剖で摘出したものを標本にしました。寄生している状態では、節の間から頭が見えるだけで体は完全に隠れています。ですから、オスは花などで待ち伏せをして、寄生されているスズメバチが近寄ってきたときにすかさず交尾をします。腹部末端が隠れているので、交尾できないと思うかもしれませんが、体にいくつも生殖孔が開口していますので、交尾できないことはありません。皆さんも秋あたりのスズメバチをいくつも採取してみると雌が見れるかもしれません。
でも一度生きたオスを採取して展翅してみたいなぁ、と考えています。