今日の大阪はいい天気です。日中は暑くなりそうです。外で作業する方は水分補給をした方がいいかもしれません。
今日はシリアゲムシ目 Mecoptera です。学名の意味は長い翅という意味で、シリアゲムシを見ていただくと、前翅と後翅がほぼ同じ長さになってます。英語ではScorpion fly で、写真1(ヤマトシリアゲ Panorpa japonica Thunberg, 1784) を見ていただくとお分かりのように、オス成虫の姿に因んでいます。オスの腹端は交尾器になっており、メスを掴むための把握器が発達してこのような形状になっています。メスは腹部末端が写真のようになっておらず、円錐形をした腹端をしています。その他の特徴としては、頭部を前から見ると口器が長く伸びています(図1)。
日本に産するシリアゲムシ目には、シリアゲムシ類、ユキシリアゲ類、ガガンボモドキ類があります。ユキシリアゲは20世紀末に北海道で発見されました。翅のないシリアゲムシで、雪の上に出現します。ガガンボモドキ類は hanging-fly と呼ばれ、ガガンボに似た姿形をしています。オスは木の枝などにぶら下がり、後脚をだらんとさせて静止します。後脚には発達した鎌のような爪があり、他の虫が後脚に触れれば、即座に鎌で捕らえ、交尾するメスにプレゼントして交尾に至る行動をします。交尾できない場合もあるそうですが、ハエの仲間にもこういったプレゼントをしてメスが捕食している間に交尾をすることが知られています。