小豆象虫

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久しぶりにこのコーナーを書きます。今日の大阪は梅雨明けしたとはいえ、台風12号の影響で大雨です。温度は高くないのですが、湿度が高くて少しうんざりです。

先週、社長が「アズキゾウムシを引き取ってきたのであげる」と仰ったので、ありがたく頂戴しました(写真1)。比較的飼育が簡単なので、研究室で実験用として、よく飼育されている甲虫・害虫です。

有名な貯蔵アズキの大害虫で、アズキを保存していたご家庭では、1度は発生させたことがあるかもしれません。オスとメスは触角の形状が異なることで区別できます。オスはノコギリの歯のような鋸歯状(写真2)、メスは櫛のようになっている櫛歯状(写真3)となります。

昔はマメゾウムシ科 Bruchidae という独立の科だったのですが、これまでの研究によりハムシ科の1亜科にされています。成虫の形態などからゾウムシに近縁だと考えられて名づけられたと思いますが、幼虫の形態を含めて総合的に判断されました。和名は日本でのみ通用するものなので、ルールなどはありませんが、学名は国際的に通用するということで「国際動物命名規約」というものが制定され、今は第4版が効力のあるもとされています。これは動物だけで、植物や細菌類にもそれぞれ国際規約が制定されています。

第4版からは各国の言語に翻訳されたものも効力があるのですが、それまではフランス語と英語でした。見開きで左ページにフランス語、右ページに英語で記載されていました。ですから2つの言語を翻訳して誤訳が無いように注意していたのですが、日本語版が出版されて楽になりました。これ自体に誤訳や、私自身の解釈の誤りが無ければの話ですが・・・。
興味がある人は一度読んでみて下さい。ちょっと難しいですよ。

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