朝から雨が降っています。おかげで昨日は寒さが和らいでいましたが、雨が上がると気温は下がって冷え込んでいくそうです。一昨日の予報なので、変わるかもしれませんが、お気をつけください。
また小さい蛾類で申し訳ありませんが、今日から私のコレクションにあるヒゲナガガ類を紹介していきます。写真1枚目はウスキヒゲナガガ Nematopogon distinctus Yasuda, 1957です。これは私の大師匠が記載した種類です。大師匠は修士課程1年のときに退官されましたが、今でも交流を続けさせて貰ってます。本種は花の蜜を吸蜜し、幼虫は何をエサにしているのかはまだ不明です。
ややこしいのですが、私には大師匠と師匠がいてます。師匠は博士課程のときにお世話になりましたが、師匠の研究対象がヒゲナガガだったので、調査に行ったときにはお土産としてよく採取していました。奄美大島で採取してきたものは、師匠にとって気になる種類だったようで、その後すぐに調査に出かけていたことを思い出しました。
写真2はケブカヒゲナガ Adela praepilosa Hirowatari, 1997です。かつてはAdela nobilisとされていたのですが、研究の結果、新種であることが分かり記載されました。他のヒゲナガガと比べて頭部が毛むくじゃらです。幼虫のエサも分かっていません。写真3はメスです。ヒゲナガガ類の触角が長いのはオスで、短いのがメスなので、すぐに雌雄の判別は付きます。
ヒゲナガガ類はポータブルケースを作って、幼虫はその中で暮らします。最初は食餌植物の葉の上でケースとなる部品を切り取り、重ね合わせてケースを作ります。蛹になるときにはケースの中で蛹になるのですが、幼虫のままで冬越しするのかどうかは忘れてしまいました。ヒロズコガるいやツツミノガ類もこういったケースを作ります。いろいろと採集したい小蛾類がいますので、来春からがんばろうと思います。まず手始めにコバネガ類ですね。このグループは爽秋に出現し、気をつけないとすぐにシーズンを失ってしまいます。また採集できたらアップしますね。