昆虫の分類2

今日はかなり冷え込みますね。日本海側などは雪になっているところもあるようです。

さて前回はカマアシムシ目について書かせていただきましたが、今日はトビムシ目 Collembora です。体長は小さいものが多く、0.3~5.0mm程度です。代表的なトビムシ目は触角が4節で、個眼が8個集まって小さな眼を形成します。この数は退化して少なくなることもありますが、8個より多くはならないそうです。腹部末端にはトビムシ目特有の跳躍器があり、叉状器とよばれY字型になっています。叉状器は後に露出しているのではなく、その前の節にある保体で引っかかった状態で前方にたたみこまれています。刺激を受けると保体から外れ、ピョンピョン跳ねます。腹部に粘管があることから、昔は「粘管目」と呼ばれていました。

ベニイボトビムシ全世界に約3500種、日本では約400種ほどが確認されていますが、種までの同定が困難なグループの1つです。写真はイボトビムシの仲間で、ザウテルアカイボトビムシかなぁ、と思っていますが、はっきりと同定は出来ていません。トビムシ目は普段は土壌中に生息するものですが、プランターや植木鉢、靴に付着して建物内に侵入することがあり、屋内のトラップにかかっていることもしばしばです。原始的な昆虫と考えられますが、南極地方からも見つかっており、ほぼ全世界に分布するグループです。

また、昆虫が地球上に現れたのは4億年前とされていますが、これはスコットランドの4億年前の Rhynie chart から発見された化石、トビムシ目の Rhyniella praecursor Hirst et Maulik, 1926 が基になっています。トビムシ目やカマアシムシ目などの昆虫は外皮のキチン化が弱く、化石として残りにくいので、奇跡といえるでしょう。

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