昆虫の分類7

今朝も寒かったですが、一昨日に比べたらましでした。でもまた日曜から月曜にかけて寒くなるという予想が。いやですねぇ。

アキアカネさて今日はトンボ目 Odonata のお話。トンボは古い名前では「あきつ」と呼ばれていました。日本書記に「大日本豊秋津洲(おおやまととよあきつしま)」、古事記に「大倭豊秋津島(おおやまととよあきつしま)」とあり、国土をトンボに見立てた事が由来らしいですが、その当時にトンボが大群で飛んでいたからとか、いろいろな説があります。銅鐸の文様にも使用されていることから、古来より愛でられていた存在だったのでしょう。また日本のトンボは日本だけにいる種類(日本固有種といいます)が多く、特徴のあるトンボ相となっています。写真は赤とんぼとしても有名なアキアカネ Sympetrum frequens (Selys, 1883) です。オスだけが成熟すると赤くなります。

トンボ目は、複眼が大きく細い腹部をしている昆虫で棒が飛んでいるように見えたので「飛ぶ棒」からトンボと名前が付いたといわれています(これも諸説あり)。幼虫はヤゴで、幼虫・成虫共に肉食です。昨日お話したカゲロウ目と共に、翅を上に挙げるだけで畳めないグループで、旧翅類 Palaeoptera と呼ばれます。これは翅の根元にある翅底骨 Axirally sclerites が3枚あるのですが、これらの並び方が原始的で畳んで腹部の上に重ねることが出来ないということがわかっています。

日本にはさまざまなトンボがいますが、とりわけ有名なのはムカシトンボ Epiophlebia superstes (Selys, 1889)です。本種は大阪でも見ることが出来る種で、氷河期の生き残りとされています。ヒマラヤ山脈周辺のヒマラヤムカシトンボ Epiophlebia laidlawi Tillyard, 1921と中国・黒竜江省にEpiophlebia sinensis J.-K. Li et al, 2011という近縁種がそれぞれいて、世界で3種しかいません。

また、オニヤンマなどは自分のテリトリー(縄張り)を決め、パトロール飛行をします。そこに入ってきたほかのトンボを追い出したり、雌が入ってきたら交尾をしたりする行動が知られています。ですから、採集するときには同じ場所で待っているとまた飛んで戻ってきますので、うまくいくと採集することが出来ます。

 

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