昨日は上の娘の卒業式でした。結構BGMの効果もあってか、ウルッと来たときもありました。ついこの間まで幼稚園児だったのにと、時間が早く流れるのを感じてしまいました。
今日はハネカクシ上科 Staphylinoidea です。ハネカクシ上科には、ダルマガムシ科 Hydraenidae、ムクゲキノコムシ科 Ptiliidae、ツヤシデムシ科 Agyrtidae、タマキノコムシ科 Leiodidae、シデムシ科 Syrphidae、ハネカクシ科 Staphylinidaeの6科が含まれます。かつて甲虫図鑑に掲載されていたヒゲブトチビシデムシ科 Colonidae、チビシデムシ科 Cholevidaeはタマキノコムシ科に含まれてしまいました。また、コケムシ科 Sydmaenidaeとアリヅカムシ科 Pselaphidaeはハネカクシ科に含まれてしまいました。これまでは外部形態や交尾器などで分類されていたものが、幼虫の形態や刺毛配列などに新知見により、包含されてしまいました。写真1はナカアカヒゲブトハネカクシ Aleochara curtula Goeze, 1777 が公園内で撒かれたネコのえさに群がってきた様子です。このあと、大量に飛来しました。
しかし、ハネカクシ科にはかなりの新種が確認されて入るものの、記載がされていない(というか追いつかない)という状況になっています。ハネカクシ上科は非常に多様で大きなグループとなっています。私が研究しているムクゲキノコムシ科にも多くの新種を確認していますので、早く記載しないといけないと一人あせっています。写真2はイケウチヒサゴムクゲキノコムシ Cissidium ikeuchii Sawada, 2008 で私が記載した種です。私もこれまでに17種記載しましたが、まだまだこれからです。がんばらなくては。
ハネカクシ科には32亜科があり、ある程度はどの亜科に含まれるかが分かるのですが、そこから種へ同定するには困難になります。2013年に名立たるハネカクシ研究者により日本産ハネカクシ科総目録が論文として発表されて全容が解明されつつあります。しかし日本産のハネカクシ科の検索表がないので、度の属に含まれるのか、どの種に相当するのかが分かりません。専門家に依頼するしかなく、難しいですね。私もようやくある程度のアリヅカムシ類なら分かるようになって来ましたが、これだと確信する決め手がなく、不安だらけになります。過去に同定していただいた標本と比べてみていますが、数多くの標本を見ていると何か違うように見えてきて、困ったものです。写真3は「これぐらい分かるようになりなさい」と棒博士から諌められたアナズアリヅカムシ Batriseniola dissimilis (Sharp, 1874) です。