昆虫の分類45

雨が上がると少し寒くなってました。またサクラもだいぶ散ってしまいました。花びらまみれの車もちらほら見かけました。私に花見をする習性はありませんが、なんとなくさびしい感じがします。

オオコクヌスト今日はカッコウムシ上科 Cleroidea です。カッコウムシ上科に含まれるのは、Phloiophilidae、コクヌスト科 Trogossitidae、Chaetosomatidae、カッコウムシ科 Cleridae、Acanthocnemidae、Phycosecidae、ホソジョウカイモドキ科 Prionoceridae、ジョウカイモドキ科 Melyridaeの8科です。この上科には貯穀害虫としてコクヌスト(穀盗人)が有名です。写真1はオオコクヌスト Trogossita japonica Reitter, 1875で、以前に紹介したヒョウタンゴミムシと間違える人が多いようで、博物館のヒョウタンゴミムシの標本群に混じっていたことがあります。

シロモンケシカッコウムシカッコウムシ類は一部捕食性のものもいますが、花粉食と考えられています。幼虫は大半が朽木に生息し食材性甲虫の幼虫類を捕食しますが、サビカッコウムシ類はキノコ・貯穀・食品・タバコの葉を、ホシカムシ類(干鰯蟲)は動物の死体や乾燥植物質を食べるので、家屋害虫とされてます。でもホシカムシ類は採集したことがないですね。写真2はシロモンケシカッコウムシ Coptoclerus gressitti Miyatake, 1985です。これは石垣島で採集したものです。今はオモト岳も採集が制限されていて、ライトトラップでいろいろ採集した頃が懐かしいですね。

ヤエヤマホソジョウカイモドキ写真3はヤエヤマホソジョウカイモドキ Idogia flavicollis Redtenbacher, 1868です。元々はジョウカイモドキ科に含められていましたが、現在は細ジョウカイモドキ科に昇格しました。私の母校である大阪府立大学に預かって貰ってますが、研究のために調査しに行かないとなぁ。琉球の甲虫の採集物だけでドイツ型標本箱が5~6箱あったと記憶してます。整理したのでそうなってるんですけどね。隙間をつめたら4箱ぐらいに落ち着くんではないでしょうか。しかし今手元にあるものだけでも50箱以上あるので、何時になることやら・・・。

ツマキアオジョウカイモドキ最後はよく見かけるツマキアオジョウカイモドキ Malachius prolongatus Motschulsky, 1866です。よくジョウカイボン科とジョウカイモドキ科の区別点について聞かれることがありますが、専門的なので一般の方には難しいかもしれません。見る部分は、前頭-頭楯縫合線、上唇、爪です。区別点を一応書いておきますね。

ジョウカイボン科は、前頭-頭楯縫合線がある、上唇は膜質で、部分的に頭楯の下に隠れる、爪に膜質状付属物がない。ジョウカイモドキ科は、前頭-頭楯縫合線がない、上唇はキチン化され全体が露出する、爪に膜質状付属物がある、というのが区別点です。

 

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