今朝もどんよりしてますね。少しは晴れてくれるでしょうか。でも日曜日は雨の予報が出てまして、どこかへ出かけようかと思ってましたが、論文を書くのに集中することにします。
今日はゴミムシダマシ上科 Tenebrionoidea です。このグループも多様で、もとは異節群 Heteromera と呼ばれてました。甲虫の分類でよく使われるのがフ節式で、前脚・中脚・後脚のフ節の数を示したものがあり、テキストや科の概説書には3-3-3とか5-5-5とか書かれています。たいていの昆虫はフ節の数は等しく5節あるのですが、ゴミムシダマシ上科には後脚フ節の数が4節となり、フ節式は5-5-4と書かれている種類が多く含まれています。
ゴミムシダマシ上科にはコキノコムシ科 Mycetophagidae、ムカシゴミムシダマシ科 Archeocrypticidae、Pterogeniidae、ツツキノコムシ科 Ciidae、キノコムシダマシ科 Tetratomidae、ナガクチキムシ科 Melandryidae、ハナノミ科 Mordellidae、オオハナノミ科Rhipiphoridae、コブゴミムシダマシ科 Zopheridae、Ulodidae、Perimylopidae、Chalcodryidae、Trachelostenidae、ゴミムシダマシ科 Tenebrionidae、デバヒラタムシ科 Prostomidae、ヒラタナガクチキムシ科 Synchroidae、カミキリモドキ科 Oedemeridae、クビナガムシ科 Stenotrachelidae、ツチハンミョウ科 Meloidae、ホソキカワムシ科 Mycteridae、ツヤキカワムシ科 Boridae、クワガタモドキ科 Trictenotomidae、キカワムシ科 Pythidae、アカハネムシ科 Pyrochroidae、チビキカワムシ科 Salpingidae、アリモドキ科 Anthicidae、ニセクビボソムシ科 Aderidae、ハナノミダマシ科 Scraptiidaeの30科が含まれます。前回多くの写真を組み込んだのですが、編集画面とHPの画面とではまったく違ってしまったので、あんまり多く並べると困ったことになってしまいました。ご覧になっている方々には申し訳ありませんでした。ですからあまり眼の付かない甲虫に関して写真を見せることにしようと思ってます。
ゴミムシダマシ上科では、甲虫図鑑Ⅲに掲載されていて、かつて独立の科となっていたものが近縁の科の亜科に降格してしまったものがあります。ホソカタムシ科の一部・タマムシモドキ科はコブゴミムシダマシ科に、ハムシダマシ科・クチキムシ科はゴミムシダマシ科に移動しています。その他にも、和名として科の名前が付くのが普通ですが(例:~ヒメハナノミなど)、和名が定着してから他の科に移りややこしくなっているものもあります。例えばクビカクシナガクチキムシ Scotodes niponicus Lewis, 1895は現在クビナガムシ科に含まれています。ですから、和名だけで判断すると痛い目にあうことがあります。
写真は上から順番にヒゲブトコキノコムシ Mycetophagus antennatus (Reitter, 1879)、アカバコキノコムシダマシ Pisenus insignis (Reitter, 1889)、オオハナノミの一種 Gen. et sp. [ベトナム北部産]、デバヒラタムシ Prostomis latoris Reitter, 1889、ホソキカワムシ Hemipeplus miyamotoi H. Kamiya, 1961、クワガタモドキの一種 Trictenotoma sp. [タムダオ(ベトナム北部)産]、オオキカワムシ Phyto nivalis Lewis, 1888です。
先にも述べましたように、ゴミムシダマシ上科は多様なグループが多いので、整理するのも大変です。