ヒラズゲンセイ

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今日も寒くて朝起きるのが辛くなってきました。太陽が昇って陽が差すと少し暖かいのですが。

今日は一般の方には「赤いクワガタ」と呼ばれる虫を紹介します。「赤い彗星」ではありませんので、ご注意を。新種の赤いクワガタと思って昆虫館や博物館などに問い合わせがあるらしいです。確かに大顎が発達しているので、間違えてしまいますね。

ヒラズゲンセイはクマバチの巣に寄生することで有名です。昔はトサヒラズゲンセイやヒイロヒラズゲンセイなどと呼ばれ、高知県など南の方でしか見ることが出来ず、近畿地方では非常に珍しい昆虫でした。現在では滋賀県まで記録があります。

ヒラズゲンセイはツチハンミョウ科の甲虫で、カミキリモドキと同じようにカンタリジンという物質を出し、それに触れるとかぶれてしまいます。クマバチは公園や家の庭の藤棚や立ち枯れの木に穴を掘って営巣しますので、万が一発見された場合には、触らずに放っておいて下さい。人間に対する攻撃性はなく、そのまま違うところへ飛んでいきますので、安心してください。

この他にも南のほうに住んでいたのに、北上している昆虫としてナガサキアゲハ、キマダラカメムシなどが注目されています。クマゼミやイシガケチョウなどもいまや普通ですが、かつては珍しい昆虫だったのでしょう。大昔の日本の昆虫相はどうだったのでしょう? 実は面白いことになっていたりして。

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海外の標本2

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今朝は一段と冷え込み、昨日の予報では5℃ほど気温が下がるそうです。帰りは寒くならないように願いたいですね。

そんな気温低下とはまったく無縁の場所の熱帯に住んでいるチョウを紹介します。昨日のタイワンオオコオロギと同様に、いただいたものです。クリメナウラモジタテハといい、後翅に数字が書いてある有名なチョウです。とある学習帳では、同じ仲間のウズマキタテハが表紙を飾ったことがあります。

その後翅に見える数字「88」や「89」から、オイテンタ・オイトやオイテンタ・ノーヴィとブラジルでは呼ばれます。現地(国立公園)に行くと普通に飛んでいるところが見られるそうですが、もちろん国立公園内なので採集は禁止。チョウの収集家が行くとフラストレーションが溜まるでしょうね。ちなみにこの標本はペルーで採集されたものらしく、規制がなかった頃のものだそうです。

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海外の標本

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家を出るときにはやや薄暗く肌寒かったので、上着を着て着ましたが、会社の近くでは汗が流れてきました。この季節は服装に悩んでしまいます。

今日は家から少し標本を持ってきました。海外のも含まれていますが、ちゃんと許可をもらったものらしく、子供たちに見せるのに役立ててくださいといただいたものがほとんどです。そういった標本は非常に助かります。写真はタイワンオオコオオコオロギらしきものです(まだ同定できてません)。かなり大きくて食用にされるそうです。

絶滅の恐れがある動物類は、昆虫類ももちろん含まれますが、ワシントン条約などで保護されています。よっぽどの理由がない限り、生息地から国外へ出されることはないようです。それだけに密漁が増えてしまう懸念があります。

最近は外国の昆虫標本を利用した研究論文を書くのにも輸出国の許可が必要になってきています。分類学者を養成する講座の講師として、インドネシアに連れて行っていただきましたが、遺伝子研究もその地でやらないといけないとお聞きしました。設備などそろっていればいいですが・・・。

さて、私も研究を進めていかなければ。

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展足中4、および訂正

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朝夕は見えこみますが、日中は少し汗ばむような気候ですね。体調を崩さないようにがんばりましょう!

昨日は展足をしました。友人にもらったハナカマキリ(写真1)やコモンフラワーマンティスなどです。もらったのが古かったので、少しもろくなっていました。生きているときには鮮明な白色で、きれいのですが死んでしまうとその色が褪せてやや黄ばんでしまいます。明確ではありませんが、肉食なので食べたものの油が出てくるのでしょう。

また、以前に依頼があってキボシアシナガバチの巣を採集していたのですが、幼虫や蛹があることから透明の容器に入れて観察していました。そしたら小さなものがワンサカ出てきたので、見てみるとノミコバチ科の一種でした(写真2:オス、写真3:メス)。おそらくハチノスヤドリコバチ Elasmus japonicusだと思うのですが、まだ原記載を確認していません。現在日本から4種だけ記録されていて、本州にはatamiensis、hakonensis、japonicus、の3種が、九州にはisshikiiの1種がいます。まだ分類が進んでいないのかもしれません。

基礎的な研究はあまり人気がないのでしょうか。しかし、分類が行われなくなると困ったことになりますよね。大学などでそういった研究を増やしてくれたらいいのですが、それを教えることが出来る先生も少なくなってきてたりして・・・。

それと、2日前のこのコーナーで写真つきでシマヘビと紹介しましたが、採集した人からはアオダイショウだと指摘を受けました。お詫びと共に訂正いたします。ごめんなさい。
やっぱり実物を見ないといけませんね。

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スズメバチ

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最近忙しかったのは、環境調査や自然観察会の講師をやってました。この季節ですから、自然観察会では鳴く虫の観察会で、鳴き声を楽しみながら行いました。アオマツムシがうるさかったですが、それにも負けずマツムシもチンチロリンとかわいく鳴いていました。環境調査では、かなりの頻度でスズメバチを見ました。

自然観察会や環境調査をしていたところは、市街地やそれに近い里山環境の場所でしたが、オオスズメバチやコガタスズメバチ、キイロスズメバチなど観察されたのはおなじみの面々でした。チャイロスズメバチ、ヒメスズメバチ、モンスズメバチやクロスズメバチなどはまったく見られませんでした。

今の季節もスズメバチは少ないですが行動しています。何かありましたらハウスドクターまでご相談ください。スズメバチは陽が暮れると帰巣しますので、夕刻からの作業となります。

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ヘビの駆除

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久しぶりに更新できました。最近はいろいろと忙しく、ネタもないということも原因の1つでしたが、社員から情報の提供をしていただきました。

2枚目の写真は大阪府で依頼があったヘビ駆除からかえってきたときの写真です。170cmはありそうですね。ヘビが苦手な方もいらっしゃいますが、喜んで捕まえる人もいらっしゃいます。マムシも恐れずに捕まえるんでしょうか・・・。

1枚目の写真のヘビはシマヘビで害はないのですが、やはり家に住まわれるといやなのでしょう。

普通のシマヘビよりは黒いので、黒化個体と呼ばれ、ある地方ではカラスヘビと呼ばれます。白いヘビは神様、もしくは神様の使いとされ、卵をお供えする方もいらっしゃいます。山口県岩国市では天然記念物にもなってます。

自然界ではこういった遺伝子による個体変化があり、昆虫でもよく赤いバッタが取れました、という新聞記事も目にします。環境変化によって出現することもあるので、環境のことは大事に考えたいですね。

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みえむ

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残暑が続きますが、今朝は少々過ごしやすかったと思います。

さて、先日私は三重県立総合博物館「みえむ」にパラタクソノミスト養成講座の講師としていってまいりました。北海道大学総合博物館の先生と共に子供から大人まで、甲虫の分類方法を教えてきました。特に子供たちは難しい勉強も楽しくやっていたように見えて、将来の昆虫学者がいそうな雰囲気でした。

三重県立総合博物館にあるものと、北海道から持参された標本を元に、甲虫の分類を行い、整理していくというものです。写真1は整理された北海道のオサムシ科で、本州では見られないオオルリオサムシなどがあり、受講者たちは喜んでいました。

パラタクソノミストとは、「準分類学者」という意味で、海外での博物館における学芸員不足により、ボランティアで整理をする方々のことを指します。今回講師をされた先生と私が北大で始めましたが、日本でもこういった方々を養成しようとという目的でやっています。北海道では先鞭をつけた北大で多く行われていますが、それ以外はあまり行われていないのが現状です。我々の方法を一度見せて、それ以降は各博物館で行っていただけるとありがたいのですが、それぞれの専門や人員不足などにより二の足を踏んでいるところが多いのかもしれません。

日本の博物学に対する認識が海外と同様になればいいのですがねぇ。

あ、ちなみに写真2は三重県立総合博物館で飼育展示されているヨロイモグラゴキブリです。普段は土の中に潜ったままで、交尾の時期になると地上に出てくる珍しい種類ですよ。

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いよいよ明日

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連日の猛暑日ですが、体調管理を心がけて熱中症にならないようにお気をつけください。

日曜・月曜と昆虫教室の講師として講演してきました。日曜日の方は大阪府営公園での親子での教室でした。昆虫の進化や形について話してきました。夏休みの自由研究にするということで、多くの子供たちが質問をくれました。一応自分で考えるような回答をするように心がけましたが、小さいお子さんもいらっしゃったので、判りやすいように答えを出してしまいました。自分で調べることが重要なのですが・・・。

月曜日は大阪能勢にある施設でのキャンプに参加してきました。写真はそのときに昆虫観察会で見られた樹液の出ているクヌギに来ていたカナブンとアオカナブンです。残念ながら子供たちが期待していたカブトムシ・クワガタムシは観察開では見られませんでしたが、前日に子供たちは採取していたようです。しかし、採集できなかった子供たちは、小学校低学年が多く、どこに行ったら取れるの?といったような質問をするので、ポイントを教えることは出来ませんが、どういう環境で採れるかと言うことを教え、自分で探すように言いました。経験をしないと解らないこともあるのです。何か職人さんのような気分になってしまいました。

こういう忙しい日々を過ごしていると、いよいよ明日になってしまいました、毒物劇物取扱者試験!

法規や基礎科学の勉強をしていると気体の状態方程式・ヘンリーの法則・ドルトンの法則など懐かしいものなどが出てきましたが、実地が少し自身がありません。呪文のような化学物質の名前は高校・大学時代にはあまり出てこず、しかもその識別や処理方法など覚えることが盛りだくさんだったので、明日その覚えたことがきっちり出てくるのかが不安です。

そのあとは三重県の博物館で講義を2日間行います。これが終われば少しゆっくり出来るのかなぁ、と思いながら今日もがんばります!

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コクゾウムシ

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大阪では夜の間に雨が降ったみたいで、道が濡れていました。朝から蒸し暑くなっています。

一昨日、よる子供たちと居間にいると手首に何かが止まりました。蚊でも飛んできたのかと思って見てみると、コクゾウムシでした。思わず台所に飛んで行って、米びつの周辺を捜索しました。

お米の中に黒いものは無し、一安心です。我が家で発生したものではなくて外部からの侵入でしょう。それにしても走光性を持ってたかどうか忘れてしまいました。生かしたまま会社へ持ってきて、とりあえず飼育・観察してみようと思っています。

他のコクゾウムシ類の生体もしくは標本が手に入れられたらなぁ。

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