フユシャク

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冬には昆虫の数がめっきり減ってきますが、その厳しい冬に活動する戦略をとっている昆虫がいます。有名なのがフユシャク類で、オスは普通に翅があるのですがメスは縮小するか退化してなくなってしまいます。

エサの少ない冬季に飛翔すると、すぐに鳥に襲われてしまうので、翅を小さくしたものや退化させたものが生き残ったのではないかと考えられています。卵を産むという重要な役割を担っているからでしょう。メスはフェロモンを出し、オスを誘います。実際に見たことがありますが、数頭のメスを目指して多数のオスが群がって飛んでいました。最初は何の現象かとびっくりしましたが、当時の指導教官に教わって納得しました。

写真は未同定ですがウスバフユシャクのメスだと思います。メスの腹部先端に毛の束がありますが、これは産卵したときにこの毛束を付着させて覆い隠す習性が知られています。昆虫観察は夏に多くの種類が見られますが、冬はあまり見ることの出来ないものも見られますので、暖かいコタツから抜け出して山を散策してみてはいかがでしょうか?

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