ハネカクシ

最近は天気がいまいちで、陽が当たらないので少し寒く感じます。

今、私は家で3月に甲虫学会大阪例会で発表しようと思っている「箕面の甲虫」について調査しています。箕面の昆虫目録は昭和7年(1932年)に大阪府から出版された「名勝箕面山 大阪府史跡名勝天然記念物調査報告 第二輯」に掲載されたものがあります。これは戸澤信義氏(後の宝塚昆虫館館長)が作成したもので、約2000種の昆虫リストが掲載されていました。その後、大阪府農林部により昭和40年(1965年)に発行された「山地利用資料5 箕面山の動物相調査」にも名だたる研究者たちがリストを作成していましたが、戸澤氏の目録を追加改正したもので、一部のグループは省略されていました。これ以降、箕面の昆虫のリストが発行されたことはまったくありません。

箕面のハネカクシ1私が箕面公園昆虫館に在籍していたときに(今も週1回通っていますが)、改訂版を作成しようと思ったのがきっかけで、せっせと採集や記録をしていましたが、纏められていないままでした。最近では分類が変更されたものもあり、それの確認作業も進めています。コケムシ科もハネカクシ科に含められて亜科に降格したのでかなり多くなってます。家に帰ってからの作業なので、あまり進んでいません。

箕面のハネカクシ2その中でも難敵はハネカクシやゾウムシです。写真はハネカクシの標本の一部ですが(まだドイツ箱にもあります)、小さいものが多くて区別点も細かいので顕微鏡は必須です。ハネカクシやゾウムシは分類が進んでいないグループもあり、相当骨が折れる作業です。ハネカクシやゾウムシには未記載種が多く含まれているため、どないしたもんかいなと考えているところです。幸い、学会にはさまざまな専門家がいますから、ある程度まとめて、専門家の意見を聞こうということにしようと思ってます。

これと並行して鳥の巣から得られた甲虫類も論文にしないといけません。ちょっとしんどい今日この頃です。

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