サクラが咲いてきて春の様子ですね。寒の戻りがあると言われてますので、服装には気をつけないと。
今日はコメツキムシ系列 Elateriformia です。コメツキムシ系列にはマルハナノミ上科 Scirtoidea、ナガフナガタムシ上科 Dascilloidea、タマムシ上科 Buprestoidea、マルトゲムシ上科 Byrrhoidea、コメツキムシ上科 Elateloideaの5上科が含まれます。今日はマルハナノミ上科の説明をします。
マルハナノミ上科には、ニセマルハナノミ科 Decliniidae、マルハナノミダマシ科 Eucnetidae、タマキノコムシモドキ科 Clambidae、マルハナノミ科 Scirtidae の4科が含まれます。すべて日本から知られています。特にニセマルハナノミ科は1996年に酒井博士と佐藤博士によって初記録となった甲虫で1種しか知られていません。写真1はミフシタマキノコムシモドキ Acalyptomerus asiaticus Crowson, 1979 だと思います。本属の再検討がされた際に、日本産の標本を検視していないようなことを聞きました。甲虫図鑑Ⅱ巻の検索に従っておきます。
マルハナノミ上科の種を見ていると、体と比較して前胸が小さくなり、頭部が前胸に覆われて上から見えにくい感じがします。その他のグループにも見られますが、進化の上では何か意味を持っているのかもしれません。マルハナノミ科は今、外国産を含むほとんどの採集品が愛媛大の吉富博士(水生甲虫全般を研究対象にしてらっしゃいます)のところに出向いておりまして、同定をして貰うために預かっていただいている最中です。写真2はマルハナノミ科の一種で、粘着トラップで捕獲されたものをいただきました。吉富さんが2005年に出版したモノグラフを購入できなくて後悔しています。