昆虫の分類51

前回ようやくコウチュウ目が終わりました。今日は以前はコウチュウ目に含められていたネジレバネ目 Strepsiptera です。とはいえ、以前にこのブログでも紹介したので、今日は簡単に説明したいと思ってます。

ネジレバネ♂(小)ネジレバネ目は、世界で約600種が記載され、南極大陸以外の大陸にすべて分布するグループです。熱帯域で非常に多様ですが、寄主がいないと生息できないため、まったくいない地域もあります。この目は多くの派生形質を有しています。そのためか、ネジレバネ目の分類学としての位置が問題(ネジレバネ問題)になっており、今までにいろいろな仮説が出てきました。とりわけ、幼虫の形態や生態がコウチュウ目ネジレバネの雌オオハナノミ科に似ていることから、コウチュウ目の1つの科で、オオハナノミ科と姉妹群を形成するとされ、そこに位置づけられたこともあります。2003年ごろに出た昆虫の全目の系統分類の論文では、前翅が偽平均昆となることから、ハエ目に近縁とされました。翅の遺伝子座が変異で入れ替わったことによるとされていますが、相同性のことを考えると私はあまり支持できないと考えています。メス成虫のことも踏まえるとかなり特殊化しているので、どの目に近縁なのかは未だ不明であると考えざるを得ません。

ネジレバネ類のオスは非常に小さく、FIT(衝突板トラップ、Flight Intercept Trap)で採集できるそうですが、普通に採集することは難しいかと思います。私も採集できたのは、メスだけでオスを普通に採集してみたいですね。写真1はネジレバネ目の一種のオス、写真2はスズメバチネジレバネのメスです。以前と同じ写真を使用しました。すみません。

 

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