昆虫の分類55

今朝は通勤路である阪急の十三で人身事故があり、回り道をしました。運転再開が何時かという情報は聞かずに、JRを使ってきたんですが、駅を降りてから少し遠かったので、少し疲れてます。

DSCN0012今日はノミ目 Siphonaptera です。学名は管がある翅のないもの、という意味です。”siphon”と”aptera”と分けるのですが、前者はコーヒーを入れるときに使うサイフォンと同じで、口の形態を表してます。後者は「翅」にラテン語の否定の接頭辞「a」とつけて「翅のない」という意味になります。翅がないのでよくシラミと同じ仲間と思っていらっしゃる方も多く、幼虫がイモムシ型だと聞くとびっくりされます。また、フリーマーケットというものがありますが、これはflea marketと英語で書かれ「蚤の市」のことです。これもfree marketと間違える方がいらっしゃるようです。

ネコノミ2世界で約2,000種が記載されていますが、このうち約15%は不適格名であるという論文があります。南極を含む全大陸から記録があり、記載された多くの種はユーラシア大陸のものです。南極に棲むのは海獣か人が持ち込んだイヌなどに寄生するんでしょう。体型は左右に押しつぶされたように平圧され、体毛の中を動きやすいように進化したと考えられています。また、体に刺毛が生えているので、後退できないと聞いたことがあります。日本のノミに関しては、大阪大学の阪口浩平博士がモノグラフを纏めていらっしゃいます。阪口先生は保育社から刊行された「世界の昆虫」(全6巻)を著した方でもあります。昆虫の研究者にとってはバイブルのようになっていますが、絶版になっているので、古本屋ではセットで15~20万円ぐらいで販売されてるようです。欲しいけど手が出ない古本です。

よく相談を受けましたが、ひどいのになると、工場内に母ネコが侵入して出産した後、ネコノミが大量に発生して、人が通ると膝より下の部分に真っ黒になるほど群がってくるということがあります。普通の民家でも、裏の空き地でネコの出産があり、ノラネコとしてそこに生息していると被害に遭う場合もありますので、気をつけましょう。今日の写真は2枚ともネコノミ Ctenocephalides felis felis (Bouche, 1835) です。というか、後は未同定のノミがあって後回しになっている状態です。いろいろな種類が欲しいところですが。

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