いやな雨が続きますね。今日は明日の会議のためにいろいろと書類を持ち帰らないといけないので、雨に濡れないようにしないといけません。
調べ物の続きで、今日持ち帰る予定のコピー文献の一部。今では原本を入手するのは困難なものの1つです。兵庫県宝塚市にあった宝塚昆虫館報。宝塚昆虫館は昆虫少年だった戸澤信義氏が阪急電鉄に入社し、創設した宝塚新温泉熱帯動物園の施設の一部です。外観の写真がのどから手が出るほど欲しいのですが、無理でしょう。1939年から1968年まで利用されていました。施設が閉鎖となり、閉館後、その跡地は宝塚ファミリーランドとなり、宝塚ガーデンフィールズ(これも閉鎖されました)に変わっていって、今は何になっているのやら。
そこで館長を務めていた戸澤信義氏は、北野中学時代に箕面などに通って昆虫を採集していました。同級生が、後に九州大学教授となる江崎悌三博士で、一緒に採集などをしていたようです。写真はその宝塚昆虫館報の第1号(昭和15年9月10日発行)です。その記事を飾ったのが江崎博士でした。表紙をよく見てみると、アマチュアの昆虫研究家・関 公一(せき きんいち)氏の所蔵印も見られます。戸澤氏はハチの研究を行っておられたので、宝塚昆虫館には欧米の研究家たちと交換した標本がいっぱいあったそうです。宝塚昆虫館の標本は現在、大阪市立自然史博物館に移管されて保存されています。私も箕面の昆虫相の研究もしているので、これを調べに行かないと行けません。
好評だったのか、昭和16年11月10日に改定再版されたものもあります。体裁も少し変わり、第二次世界大戦あたりの印刷物としては良いものです。この後物資窮乏により粗悪なものに代わっていったのかもしれませんが。
全部読んでいる時間は今のところないので、空いた時間に使える情報を探さないと思うと、少ししんどいです。戸澤さんのポートレートも珍品かもしれません。今のところ配布物に掲載されていた1つしか知らないのですが、これも利用できるかどうかわかりません。