今朝もひどく寒かったですね。会社に来るときは相川あたりから雪がちらついていました。会社に来ると所々うっすらと雪がありました。これでは子供たちも喜ばないでしょう。
さて、今日はカゲロウ目 Ephemeroptera についてお話を。漢字で書くと「蜉蝣」と書き、字面から浮かんで漂ってる感じがします。ラテン語表記にある Ephemeros というのは、「命の短いもの」を意味します。羽化してきても、一週間~二週間ぐらいしか生きません。春先から5月ぐらいまでに出てきますが、生息する環境は河川なので、その周辺でよく見かけられます。都市部の河川では水質が悪いと生息することが出来ないグループです。写真のように非常に弱い昆虫で、標本でも壊れやすいのです。標本箱のフタを開けただけでこのような状態になってしまいます。
成虫は大きな複眼をしており、ターバンを巻いたような複眼、これをターバン眼と呼んでいますが、これをオスが有します。メスを見つけるためだと考えられます。口器は強く退化し、成虫のステージでは一切食物を摂ることはありません。
このグループの幼虫は水生なので、羽化するときに地上に出てきます。そのときに翅が濡れてしまうと飛べなくなるので、亜成虫という特別なステージがあります。亜成虫となって水中から出てきたカゲロウ類は、地上に出てきたあと、もう1回脱皮して翅を伸ばし、完全な成虫になります。写真の左隅の方に写っているものが亜成虫の脱皮殻です。田舎の川沿いを歩いていると建物の壁についているかも知れませんので、ぜひ見つけてみてください。