昆虫の分類18

昨日今日と暖かい日が続きますが、週末は寒気団が来て雨という予報になっています。インフルエンザもまだまだ油断はできませんので、ご注意ください。

ヤマトシロアリ有翅虫3今日の話題はシロアリ目 Isoptera です。等翅目とも呼ばれ、前翅と後翅が等しい形になっていることからそう呼ばれます。前回の話では、現在の分類ではゴキブリ目と一緒にする傾向がありますが、今のところ敢えて別々でお話したいと思います。写真はヤマトシロアリ Reticulitermes speratus (Kolbe, 1885) の有翅虫です。翅を見ていただけると漢字名が納得いただけるかと思います。

シロアリ目は数珠状の触角を持ち、社会性を持つ昆虫で、女王・王・職蟻・兵蟻の4階級を持ちます。階級で形態は異なり、女王や王は翅を落とした時と同じ姿をしてますが、職蟻は白色から黄色味を帯びた白色をして、胸部が少し小さくなります。兵蟻は外敵と格闘するため、頭部と大顎が発達します。女王はコロニー存続のために絶対に必要なので、女王が生きている間は制御フェロモンを出し、生殖機能を持った成虫は出てきませんが、死んでしまうとそのコロニーの中から新たな女王が出てきます。うまく出来た社会になっています。

イエシロアリ有翅虫(翅脱落)シロアリ目は熱帯・亜熱帯に種類が多く、野外で確認される種の方が多数を占めます。熱帯の方では地上にシロアリの塚が見られ、兵蟻は防御液を噴出するものもいます。日本では、公益社団法人日本しろあり対策協会が規定している防除施工基本大綱には建物に被害を与えるのはヤマトシロアリ(写真2)、イエシロアリ Coptotermes formosanus Shiraki, 1905 (写真2)、アメリカカンザイシロアリ Incisitermes minor (Hagen, 1858) 、ダイコクシロアリ Cryptotermes domesticus (Haviland, 1898) の4種が挙げられていますが、ヤマトシロアリとイエシロアリが近畿圏でもよく見られます。

ヤマトシロアリよりもイエシロアリのほうが被害は大きく、暖かくなってくると群飛と呼ばれる、新しい生活の場を求めて新成虫が出てくる時期があります。これ以降はシロアリの活動が活発になりますので、要注意です。当社はシロアリ防除も行っておりますので、ご心配・ご不安がございましたら、ご気軽にご相談ください。

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