バイオリンムシ

 

バイオリンムシこのブログに更新するための標本写真などがだいぶ溜まってきました。でも話のネタになるのは少なくなってきたので、家から標本を持参したり、もうちょっと写真をとる作業を増やさないと・・・。今日は無理やり「芸術の秋」にちなんでバイオリンムシ Mormolyce phyllodes HagenBach, 1825を紹介します。

ホソクビバイオリンムシバイオリンムシは東南アジア(マレーシア・タイ・インドネシアなど)に分布する奇妙な形をした昆虫で、本種のほかに4種が知られ、ホソクビバイオリンムシ Mormolyce hagenbachi Westwood, 1862(写真2)やマルクビバイオリンムシMormolyce castelnaudi Deyrolle, 1862(写真3)などがいます。形がバイオリンに似ているので名づけられましたが、横から見ると平べったくなっています。こんな形でも実は飛べるという話もありますが、実際には見ていないので、何ともいえません。

 

マルクビバイオリンムシ本種はジャングルの中でサルノコシカケ類と、それに来た昆虫やキノコを食している甲虫やハエの幼虫を捕食するので、このような形になったと考えられています。サルノコシカケ類はBracket fungiと呼ばれ、幾重にも重なるように生えていますので、キノコの間に潜むにはぴったりです。私の知り合いの先生は、ボルネオ島に行ったときに、夜中にジャングルに入り、これを探したそうです。野生動物がいますので、すごい恐怖を感じたそうです。でも、こういうことをしないと採集できないんですね。

 

LINEで送る

投稿日:

トコジラミ

トコジラミ2今朝も寒かったですが、日中は25℃まであがると予想されていて、暖かくなるそうです。夕方以降がどうなるか心配です。

今日の話題はトコジラミ (Cimex lectularius Linnaeus, 1758)。1975年ぐらいからはあまり聞かなくなった昆虫でしたが、最近復活しつつあるようです。確かなことはいえませんが、外国人旅行者が諸国を回ってから来日するようになり、その荷物についてきているのではないかと予測されています。大阪では「民泊」もOKとなり、発生した場合速やかな処理が必要になりますね。

トコジラミ科はおもに鳥やコウモリ類を吸血する生活ですが、トコジラミとタイワントコジラミ(別名:ネッタイトコジラミ、ナンキントコジラミ)のみが人間を吸血します。私が現役の学生時代には、カメムシ研究者の間では「珍品」とされていて、私も実物は見たことがありませんでした。学位を取得するぐらいに、知り合いの畜舎に発生していたのを知り、いただいたことがあります。この会社に入ってからは「珍品」ではなくなってしまいましたが・・・。

写真のトコジラミには白い粉が付いていますが、これは駆除に使用したマイクロカプセル剤です。生きた個体を採取してきて、MC剤の付いたダンボールと共にシャーレに入れて飼育したところ、翌日には痙攣してひっくり返っていました。アメリカではピレスロイド系薬剤に非常に強い抵抗性のあることが実験で示されました。抵抗性をいつ獲得したかについては興味深いところがありますが、使用する薬剤の毒性が弱いものへと移行していることも原因のひとつと考えられています。チャバネゴキブリやトコジラミなど、薬剤抵抗性を身につけた種類が難防除害虫として増えないことを願うばかりですね。

LINEで送る

投稿日:

ツノクロツヤムシ

ツノクロツヤムシ私の自宅は会社から遠いので、朝早くに起きます。日が短くなったので、起床時は真っ暗です。自宅から出るときには明るくなってきていますが、それでもやや寒いですよね。

昆虫はどうでしょうか?昼間に活動する種類と夜間に活動する種類があり、 外敵に見つからないように工夫がされています。「夜間に動くカブトやクワガタは、いても黒ければわからないだろう。」とある人は言ってます。

クロツヤムシ類考えれば確かにうなずけるところもありますが、じゃあヤガの仲間はどないなんねんと思ってます。派手な色をしているものもあれば、木の皮に似せているものもいて、真っ黒ではありません。

真っ黒な甲虫で面白いのは写真1のツノクロツヤムシで、四国の石鎚山系と九州に分布します。日本に産するツノクロツヤムシ科はこの1種だけです。ツノが判るように左斜め上から写真を撮影しました。朽木の中で生活しています。写真2は東南アジアのクロツヤムシ類で、多くの種類がいます。触角を見てみるとクワガタムシ科とコガネムシ科の中間の形をしていて、近縁なグループです。ぱっと見るとコクヌストに似てます。昨日紹介したヒョウタンゴミムシの標本の中に間違えてコクヌストを混ぜている人もいます。よく見ると区別点があるので、観察は重要ですね。

 

LINEで送る

投稿日:

ヒョウタンゴミムシ

今朝も寒かったですね。日中が暖かくなると予想されてますが、紅葉には良いのかもしれません。昼間と夜間の温度差が大きいと鮮やかな紅色になるらしいのです。紅葉の名所は賑わいますね。

オオヒョウタンゴミムシ今日からこのコーナーの編集レイアウトが変更になったようで、手探り状態で編集してます。いろいろ試行錯誤してみますので、読みにくかったらごめんなさい。

今日はヒョウタンゴミムシについてお話しようかと思います。写真1のオオヒョウタンゴミムシは、海岸性の甲虫で、昔の大阪の海浜(砂浜)では見かけることが出来ましたが、現在では自然の砂浜が少なく、まったく見られないとのことです。近隣では兵庫県の砂浜などでは確認されています。

ヒョウタンゴミムシ類写真2は普通ののヒョウタンゴミムシ類とオオヒョウタンゴミムシの大きさを比較したものです。普通のヒョウタンゴミムシは河川敷の砂地などで見られます。微小なヒョウタンゴミムシなどは山間の落ち葉の中で生息しているものもあり、紀伊半島の山の中でしか採集できないものもいます。

かつて日本の海浜や河口付近の砂地に生息していたハンミョウやゴミムシなどは少なくなってきており、それらの保全活動が進んでいますが、その地域だけを保全するだけでなく、周辺環境の保全も必要になってくるのではないかと考えています。

LINEで送る

投稿日:

oyk064

066

LINEで送る

投稿日:

ドクガ

20151031094759 20151031094759-2

10月下旬、ドクガの成虫が見られました。会社の近くで死骸を見つけましたが、きれいだったので標本にしました。しかし乾燥していたためか、展翅することは出来ませんでした。軟化展翅という方法がありますが、結構手間がかかり業務もあるので、そのままにしてしまいました。
幼虫は垣根に使用するサザンカやツバキなどの葉を食べるので、家にサザンカやツバキがある方は気をつけてくださいね。

それから今日はもう1つ。これは以前に採集したクロマダラソテツシジミです。もともとフィリピンなどに生息し、ソテツを食害するチョウとして知られており、日本ではこれまで迷蝶扱いでした。2007年に大阪から宝塚にかけて発生したことがあります。これは輸入した植物についていて、搬送するときに周辺のソテツで発生したとあります。インターネットなどの情報なので不確かではありますが、昆虫関係の雑誌には詳細が掲載されていると思います。

このときはチョウを収集している人はざわめき立っていたもので、網を持った人をよく見かけました。まだチョウだからそんなに大騒ぎしませんでしたが、これが人間に害のある動物や昆虫だったら、と考えると恐ろしいなぁと思います。

昨年のデング熱も大騒ぎしましたが、今年はあんまり聞きませんね。

LINEで送る

投稿日:

oyk05

05

LINEで送る

投稿日:

oyk04

04

LINEで送る

投稿日:

oyk 03

03test

te

st

test

03

LINEで送る

投稿日:

new

new test

LINEで送る

投稿日: