今朝は朝からどんよりと曇っています。西日本を中心に天候が悪くなるといわれていて、大阪では夕方が一番ひどいそうです。帰る時なので、お気をつけください。
今日はチョウ目 Lepidoptera です。学名は 鱗のある翅を意味します。翅に毛が変化した鱗粉をまとい、さまざまな斑紋を持つチョウやガなどが含まれます。およそ17万5000種が記載されています。一番原始的だと考えられているのが、コバネガ科 Micropterygidae で、咀嚼型の口器を持つことで、他のグループとは異なります。スイコバネガ科 Eriocranidae などは蛹のときに大顎が観察され、地中から羽化するときにその顎を使って地上に出てくるというのを聞いたことがあります。これまでにこのブログでも小蛾類を紹介してきましたが、私も興味を持っていて集めてます。ただ、原始的なグループは年に1回、春ぐらいに出てくるものが多く、これまでのデータから採集しに行かないといけません。今年はコバネガを採集しに行こうと思っていたのですが、いくことが出来なくなってしまいました。もう遅いかもしれません。小蛾類の研究者たちは幼虫の採集も行いますので、飼育して羽化させますから綺麗な標本を所有しています。写真1は中南米などに生息するカストニアガの一種 Castiniidae Gen. et sp. です。
チョウ類は言わずもがな、ここから昆虫少年になり研究者の道に進んだ人が少なくありません。私は甲虫が好きだったので、マイノリティだと思います。しかし大学では少し採集していました。よく聞くきれいなチョウと言えばモルフォですね。昔はMorphidae という独立の科でしたが、今はタテハチョウ科の亜科になってます。写真2はレテノールモルフォ Morpho rhetenor rhetenor (Cramer, 1775) です。人から聞いた話ですが、捕虫網に青いのがあってモルフォ用だそうです。また、青いアルミ箔を使ってモルフォが生息している森の中でひらひらさせると、オスが縄張りから追い出しに来るそうです。それからよく見てみると標本には腹部がありません。これは脂が出てきて翅にしみこんでしまうとこの輝きがなくなってしまうから標本として販売するときには外すそうです。よく乾燥させるか脂抜きをした後に腹部をつけているものもあるようです。